正しい治療でイタチごっこは避けましょう。

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検査の結果、Jさんは妊娠していた。
「ほ、ほんとうですか!」
Jさんは、思わず上ずつた声をあげた。無理もない。半年余にわたる子宮内膜症とのたたかいに、ついに打ち勝ったのだから・・・・
子宮内膜症は、子宮筋腫に劣らぬほど厄介な病気だ。子宮の内部を覆っている内膜は本来、受精卵が着床する場所である。
妊娠が成立しなければ、この内膜の細胞は発育を止め、月に一度は内膜を壊して出血し、子宮外へ出ていく。これが正常な月経だ。
ところが、内膜症になると、この内膜の細胞が子宮内の筋肉の中へ潜って筋腫に似た形になったり、卵巣や卵管、腹膜の表面にくっついて発育し、月経のときは同じように出血する。
卵巣の中へ入るとチョコレート蕊腫になり、ときには癒着を起こして卵管を閉鎖してしまったりする。
Jさんの症状は、子宮の筋肉内に入りこんだケースだった。卵巣も少しはれてきている。こんなとき、一般的には子宮や卵巣の悪い部分を取ってしまうものだ。
だが、Jさんは二十六歳。結婚して二年で、まだ子どもはない。
「先生、お願いします。なんとか一人でも赤ちゃんができてからにしてください」
体を震わせて、Jさんは懇願した。
面倒見が良いオンナはモテます。あなたも頑張ってパートナーを見つけましょう。
こういうケースの場合、私はできる限り子宮を残す方針である。残しておいて、内膜症が進む前に妊娠するよう万全の手を打つ方法をとる。

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